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(c)AFPBB News
【12月18日 AFP】デンマーク自治領グリーンランドの政庁所在地ヌークで7月に拘束され、日本が身柄引き渡しを求めている反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者、ポール・ワトソン容疑者(74)が17日、デンマーク政府が日本の身柄引き渡し要請を拒否したのを受け、釈放された。
ワトソン容疑者は今年7月、日本の要請を受けて国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)が2012年に発行した「赤手配書」に基づき逮捕された。海上保安庁が、2010年2月に南極海で発生した日本の調査捕鯨船乗組員に対する傷害、器物損壊等の事件の共犯として逮捕状を取得し、国際手配していた。
ワトソン容疑者は釈放後間もなく、グリーンランドからAFPのビデオ通話での取材に応じ、「5か月勾留されていてきょうが自由になった最初の日なので、最高の気分だ」「私を逮捕したことで、日本が違法な捕鯨活動を継続し、南極海に再進出する意図を持っていることに世界の注目が集まった」「つまり、この5か月間は事実上、反捕鯨活動の延長だった」と語った。
ワトソン容疑者はまた、自身の勾留はデンマークの「フェロー諸島におけるイルカやクジラの違法な殺害」も浮き彫りにしたとも主張した。
弁護団の一人、ジャン・タマレ氏はAFPに対し、「闘いはまだ終わっていない」と主張。
「今度は赤手配書と、日本の逮捕状に異議を唱えなければならない。ポール・ワトソン船長が心から安心して再び世界を旅することができるように、二度とこのような目に遭わないようにするためにだ」と続けた。
ワトソン容疑者は、自身が国際手配被疑者一覧に載っていることを嘆き、それは「連続殺人犯、戦争犯罪人、主要な麻薬密売人のためのものだ」と述べた。
シー・シェパードのラミヤ・エセムラリ仏支部長はAFPに対し、「いまだに信じられない」と語った。
エセムラリ氏は釈放直後のワトソン容疑者と共に取材に応じ、「最悪の事態に備え、闘う覚悟をしていた。必要ならば日本から連れ出すことさえ覚悟していた」と述べた。
AFPが確認した書面によると、デンマークが日本の要請を拒否したのは、ワトソン容疑者の勾留期間や引き渡しにかかる時間を考慮してのことだった。
デンマーク司法省は、「引き渡しを求められている行為が14年以上前のものという事実と、行為全般の性質」も考慮したとされる。
AFPは日本の外務省の担当者にコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
ワトソン容疑者の弁護団の一人、フランソワ・ジムレ氏はAFPに対し、「調査捕鯨に偽装した商業捕鯨の違法性を非難しただけの男性を、日本は黙らせようとした」と指摘。
日本には「有罪推定」があり、「検察は有罪率が99.6%だと誇らしげに発表している」として、日本では公正な裁判を受けられないと訴えた。
弁護団は9月、環境保護に関する国連特別報告者に連絡を取り、ワトソン容疑者が日本の刑務所で「非人道的な扱い」を受ける可能性があると主張した。
デンマークのピーター・ホメルゴー法相は引き渡し要請拒否について、「日本の司法制度に関して一部で提起されている懸念をデンマークが共有しているわけではない」と強調。
「日本は基本的人権を尊重する民主国家だ。日本の当局と良好かつ緊密な対話も行ってきた」と続けた。
岩屋毅外相は10月、ワトソン容疑者の身柄引き渡しを日本が求めていることについて、捕鯨問題ではなく、海上における法執行の問題だとの認識を示していた。日本政府がこの問題に公式にコメントするのは異例。
ワトソン容疑者は、2023年7月から暮らし、2人の子どもが学校に通っているフランスへの帰国を希望している。同容疑者は10月、フランス国籍の取得を申請した。
ワトソン容疑者はこの問題をめぐり、英霊長類学者のジェーン・グドール氏ら著名人を含め、大衆や活動家の支持を得ている。グドール氏はフランスのエマニュエル・マクロン大統領に対し、ワトソン容疑者の政治亡命を認めるよう呼び掛けていた。
(c)AFPBB News
2024年12月18日
反捕鯨のワトソン容疑者釈放「最高の気分」
解説 ポール・ワトソン容疑者の拘束にあたり、私はこれまで彼と一緒に南極海捕鯨妨害に加わった人物に密かに接触を取り、その裏側を取材してきた。
ワトソン一派の弁護士はカルロス・ゴーン釈放にも加わった敏腕のリーガルチームだ。
さっそく、その人物にもリーガルチームから協力を呼び掛ける連絡があり、日本側に加わらないように釘を刺した。
ワトソン容疑者はかつて部下に対して、活動家になるための奥義を「犠牲者のふりをしなさい」「相手の前で作り話をでっちあげなさい」と言った人物だ。
私が接触していた人物はこう言った。
「私はワトソンが嫌いだ。それでも日本に彼を引き渡さないことにはメリットがある。日本で裁判を受ければ、バッシングが大きくなる。厄介な人物を受け入れないほうがいい」
そして日本の将来をこう予言した。
「彼は今回の拘束劇で、弱まっていた勢力や人気を再び盛り返した。彼が再開する運動は日本を追い詰めるだろう」
見解 日本がデンマークと犯罪人引き渡し条約を結んでいないのだから、デンマーク当局の判断を非難しても始まらない。日産のゴーン被告の際も指摘があったが、日本の司法制度は、「人質司法」や死刑存続などから、国際社会から極端に評価が低いことは、近年の国連勧告などをみても明らかだ。
さらにもし日本に引き渡しがされて実刑に処されることになれば、反捕鯨が主流となっている他の先進国から大きな非難を浴びることになる。日本としては引き渡しを求めたが、実質的には自由の身になったというのが、落とし所としては最適解であるように思う。
日本政府は、デンマーク政府に対してどの様に抗議するのだろうか?
「遺憾」だけで終わらせるのは許されない。この輩がやったのは、鯨の保護に名を借りた犯罪行為に外ならず、乗員を危険にさらした事に対する罪は、問われないとおかしい。
また、鯨がここまで減った事は、そもそも19世紀までの欧米による鯨の乱獲であり、鯨肉についても、油を取るだけに利用していて、食用等に用いなかったのに対し、日本は全ての部位を活用し、更には鯨のための供養塔すら立てて、供養していたという歴史を、もっと日本政府は真剣に伝えるべきではないか?
今回で学ぶべきはデンマークへの悪感情では無く、引き渡し条約等の国際条約はなんら根拠も拘束力もなく感情によって運用されているのが現実であると言うことだ。
結局、何か政治が関われば容易く反故にされる程度の国際協調の世界であると日本政府及び関係省庁は認識して行動していく必要がある。
ワトソン容疑者の弁護団の一人、フランソワ・ジムレ氏はAFPに対し、「調査捕鯨に偽装した商業捕鯨の違法性を非難しただけの男性を、日本は黙らせようとした」と指摘。
シーシェパードによる暴力行為の数々がはっきりと記録に残っていますけど、弁護団的にはあれは「非難しただけ」で済ませちゃうんですね。
とりあえず、この弁護団の方々の車にカーチェイスを仕掛けたり、薬品や発煙筒を投げつけて事故を誘発しても、単なる「非難」で済ませてくれるということだそうです。
反捕鯨のためなら何をやっても許される。そんな無茶苦茶な違法行為を容認したことになる。法治国家の名がすたるでしょう。
ワトソン容疑者の実態は捕鯨反対のスローガンの下に器物損壊や傷害、日本政府の正当な業務の妨害活動を行った環境テロの活動家でしょう。
引き渡しが拒否され、無法者を野に放ったのは残念という他ない。
今回のデンマーク政府の決定には失望した。
もしもその損害によって海のど真ん中で船や船員に、航行に支障をきたすほどの被害を出たら、それこそ大問題であり、船員に被害を出した事実に変わりはなく、そこの責任の所在を明らかにしてそれ相応の措置を下すことは法治国家として当然のはず。
結局、フランスの手中にあるEUのなかでは、このような決断をせざるを得なかったのだろうが、日本ももっと国際的な周知を働きかけるべきだと思う。
コメ数637、1位コメの「共感した」数は4273。
「共感した」数が多い順に5つピックアップ。
「反捕鯨のワトソン容疑者釈放「最高の気分」」12/18(水) 10:25配信のAFP=時事の記事。