韓国で民主化後初の「非常戒厳」で緊張 大統領宣言から6時間で解除 退陣運動潰しか【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年12月4日)

韓国に激震が走りました。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3日夜、野党側が国政をまひさせているとして「非常戒厳」を宣言しましたが、およそ6時間後に解除しました。一体、何があったのでしょうか? ■“一切の政治活動禁止”大混乱…国会に軍隊突入 3日夜、韓国・ソウルの国会前で、繰り広げられた激しい衝突。国会前には警察車両だけではなく軍の車両も多く詰め掛けています。そして、その周囲を市民が取り囲んでいる状況です。 車の中には迷彩服とヘルメットをつけた軍人が乗っています。 軍の車両の前に座り込み、軍人を追い払って、雄たけびを上げる人々の姿もみえます。 国会の門の前には、警察官が2列になって侵入を防ごうとしていますが、国会の敷地に入ろうとしている市民と警察との間で小競り合いが起きています。 午後10時ごろ、尹大統領は緊急会見に臨みました。 尹大統領 「私は北朝鮮の共産主義勢力から自由大韓民国を守り、国民の自由と幸福を略奪している悪質な反国家勢力を一挙に殲滅(せんめつ)し、自由憲政秩序を守るために非常戒厳令を宣言します」 突如、「非常戒厳」を宣言しました。「戒厳」とは、非常事態の際、立法・行政・司法の事務の全部または一部を軍隊の手にゆだねることを意味します。 「非常戒厳」の発令直後には、韓国の戒厳司令部は、「政治活動の禁止」や「メディアと出版の統制」などを布告しました。 韓国 戒厳司令部 「国会と地方議会、政党の活動と政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁じます」 違反者に対しては、令状なしで逮捕や捜索などができ、法律で処罰すると宣言しました。 尹大統領 「私はこの非常戒厳を通じて、亡国の奈落に落ちる自由大韓民国を守り抜く。そのために私はこれまで悪行をしてきた亡国の元凶・反国家勢力を必ず撲滅します」 ■1987年の民主化から初めての「非常戒厳」宣言 韓国で45年ぶりに発令された「非常戒厳」。 1980年には、全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が宣言して、軍政に抗議した市民が多数犠牲となる光州事件が起きました。87年に韓国が民主化してからは初めてのことです。一体、韓国で何が起きているのでしょうか? コリア・レポート 辺真一編集長 「韓国国内で吹き荒れている尹大統領退陣・弾劾(だんがい)、この運動を戒厳令で潰しにかかっている」 尹大統領は、野党側が政府高官や検察に対し、相次いで弾劾訴追案を提出していて、「司法や行政をまひさせている」としています。 ソウルにある国会の入り口近くでは、警察官と市民がもみ合い、緊張した状況に。 市民 「尹大統領を逮捕しろ」 「尹大統領の命令で来てるだけだから(軍人に)罪はない」 ■「非常戒厳」の解除要求 出席議員190人全員が賛成 4日未明には、国会内で本会議が開かれ、「非常戒厳」の解除を要求する決議案に、出席した議員190人全員が賛成し、可決されました。…

「在留日本人の安全に万全を期す」石破首相が「重大な関心を持って注視」と強調 現時点で邦人の被害なし 韓国「非常戒厳」巡り

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣言し、戒厳司令部が一切の政治活動などを禁じるとしましたが、その後、宣言は解除されました。 今回の韓国の動きについて石破首相は、「重大な関心を持って注視している」と述べました。 石破首相: 昨晩の戒厳令発出以来、私どもとして、特段のかつ重大な関心を持って注視を致しているところだ。 その上で石破首相は、「在留日本人の安全に万全を期す」とし、現時点で被害情報は入っていないと述べました。 政府内では、尹(ユン)政権の弱体化による日韓関係への悪影響や、北朝鮮の動向を懸念する声が出ています。

石川 輪島 豪雨で氾濫の塚田川周辺 降雪前に復旧工事急ピッチ

ことし9月の豪雨で氾濫し4人が亡くなった、石川県輪島市の塚田川周辺では、応急の復旧工事が行われていて、今後雪が降ると工事が遅れることが予想されることから、現場では作業が急ピッチで進められています。 9月の豪雨災害では、輪島市久手川町の塚田川が氾濫し、住宅などが流されて4人が亡くなりました。 塚田川では、護岸の崩落や川底に土砂が堆積していることから、再び氾濫が起きないように、現在、応急の復旧工事が行われています。 川の周辺は被害の範囲が広く、高度な技術が求められるため、工事は県の代わりに国土交通省北陸地方整備局が担当していて、今後雪が本格的に降ると工事が難航して遅れることが予想されることから、現場では急ピッチで作業が進められています。 4日も時折雨が降る中、作業員が重機を使って、堆積した土砂を掘り返す作業や流木を取り除く作業を行っていました。 北陸地方整備局地域河川課の西出保課長は「雪が降ると除雪などが必要になるので、前倒しで工事を実施したい。住民の皆さんの安全安心の確保に努めていきたい」と話していました。 北陸地方整備局によりますと、現在は下流部から工事を進めていて、今後は上流部に流木をせき止める金属製のネットを取り付け、来年の出水期前の5月末までに応急の復旧工事を完了したいとしています。